我が子がネズミ講にひっかかって消費者金融で借入していた! は・じ・め・て・の♪ アコム♪♪
ある日、自宅から大学に通う息子宛に一通のハガキが届いた。
送付元は 「ACサービスセンター」。 ACサービスセンター??聞いた事ない なぁ? 多趣味で交友関係が広く 見栄っ張りな息子なので クレジットカードの支払いでも滞ったのか?
それにしても思い当たらないその名前を検索してみる。
は·じ·め·て·の🎵アコム🎵 ガーーーーーーーーーン☠️☠️☠️☠️☠️☠️☠️☠️☠️☠️☠️
早速 バイトから帰ってきた息子を問い詰める。
「ななななななな、なんなのっ!あっ、ア、アコムって!」
恥ずかしいほど カミカミで動揺するアラフィフの母。
パンツ一丁で正座をし、うつむいた息子が深いため息をついた。
なんなのだ?なんなのだ? ROLEXの時計でも買ったのか?いや、彼女を妊娠させたのか??
だって 残債務金額193,210円なんですもの。。。
深いため息の後 ゆっくりと息子が語り出した。 「これは、ずっと黙っていようと思ったんだけど....実はDに勧誘されて その時 借入したんだ。そのあとすぐにインチキビジネスだと知って....毎月返済していたんだけど」
なにぃぃぃぃ!?なんだとぉ!?
久々に冷や汗が背中を伝うのを感じた。更年期の為、冷や汗など最近はかいたこともなかった。なるほど、こういう時はやはり冷や汗が出るのだ。
Dとは、息子の大学の同級生である。いや 高校の同級生でもある。何なら小学校、中学校も同じ塾で切磋琢磨して来た幼なじみだ。
そしてもう一つ付け加えるならば、Dの母親は 私のもと同僚であり、今は娘のバイト先の責任者でもある。そして 何を隠そう、その晩 私は Dの母親と 夜カフェに行く約束をしていたのだが 台風で中止したところであった。
Dが大学に入ってすぐ、ブログビジネスなるものを始めたことは聞いていた。そして、ブログ更新が忙し過ぎて休学したのだ。彼はかなり儲けているようだった。幼なじみということもあり、Dが大学を休学した後も時々会っている様子だった。そして、彼に連れられてセミナーに参加している事を耳にした。 ” セミナー ”?? 私はかすかに不安を覚えたが それ以降 息子からDの話を聞くことは 無くなった。
半年ほど経って、「そういえば最近Dは元気にしてるの?」と息子に聞いた。休学をしてまでブログビジネスにのめり込む息子の友人を、老婆心から心配したのだが、息子の口からは驚くべき近況を聞くことになった。
どうやらDのブログビジネスは、ネズミ講で 大学の名前をウリに勧誘していたことから、教務課から呼び出され強制退学になったと言うではないか。 好奇心からそのネズミ講と思われる会社の名前を聞き 検索する。
おおおおおお なんと立派なネズミ様❗❗
集団訴訟のページまであった。大学生をターゲットに、30万以上の入会金を 消費者金融で借入させるという手口であった。
※最近は会社名を変え「情報商材」なる薄っぺらな教科書2冊とUSBディスクを高額で売りつけているようだ。
DのインスタにはURLが貼ってあった。
怪しいっ!
とにかく友達から!ここをタップ!!タップ!!
しつこいっ!!
そこには 1日1時間で7万儲かる と 情弱な子供がまんまと騙されそうなうますぎる体験談と、札束を手に満面の微笑みを浮かべたDの写真が。。。
これ、あかんやつじゃんwww
そう、 その有り得ないうますぎる話を鵜呑みにしたのが 我が息子であった。そして親切にもDは、アコムでの手続きにもついて来てくれたそうだ。。
そんな正体不明のビジネスで安易に儲けようと ノコノコ消費者金融で借入する我が子に情けなくて涙が出たが、同時に Dに対しても激しい怒りを感じた。
顔も知らない赤の他人に騙されるのとは訳が違う。
これは 私の沽券に関わる問題だ。
許すまじ!!
まずは Dの母親にLINEで連絡した。
以前、Dの母親には「息子さんのやってるビジネス怪しいよ」と忠告したことがあったのだが どういう訳か全く意に介さず、我が子の「頑張りと その収入」に のろけが止まらず有頂天であった。
今回こそ はっきり言わせてもらおう!いささか 親の私が出過ぎた感はあるが、信頼関係につけ込んだ欺罔行為は許せない。
「息子が、Dくんのやっているネズミ講ビジネスに勧誘されてアコムで30万借入させられました。許せません!返金して下さい!」
直球である。
数分後、Dの母親から 「息子さんからDに直接連絡してくださいとの事です。返金するそうです」
そんなバカな!詐欺グループが 2年前の入会金を返すわけがない!
と まあ、感情的になりDの母親に一気呵成に訴えたのだが、いつになっても既読にならない。 まさか!?
ブロックされていた。
1度きりの返事をよこした後、間髪入れずにブロックしたのだ。
Dの母親のこの行動は私のタガを外した。時計は深夜1時をまわっていた。しかしそんなことは私には関係ない。非常識な時間??この場に及んで時間云々など、非常識の範疇ではなかろう!
だって、詐欺なんですもの!32万の被害なんですもの!!
幸い私はDの連絡先も知っていた。長い付き合いなので、息子がDの携帯電話を借りて私に連絡して来たことも何度かあったからだ。もはやアラフフィフだの母親だの恥だの外聞だの品格だの 何もあったもんじゃない。
さすがに深夜であるためその日返事は無かった。
しかし、私は一睡も出来ないまま朝を迎えた。
そしてDから返事が来た。
今 気が付いた。。。誤字。。。恥ずかしい。。。
この後、被害届 刑事告訴 弁護士 等々のハッタリワードの連発と、今後の彼の健全な活躍を願うような欺瞞に満ちた母性で情に訴え、Dを屈服させることに成功!!
まさに亀の甲より年の功。大学生なんて まだまだ尻が青い。
この返事を信じて良いのか?息子に続いて私までも騙すのではないか??
このままトンヅラという可能性も払拭出来ない旨を伝え、返金処理をした後に合意解約書を交わす事で話は成立。
そして翌日 通帳記帳し 324.000円の振込みを確認した私は快哉を叫んだ!
同時にアコムにも一括返済し解約手続きを完了した。
これが一番大事な手続きね。。。やれやれだ。
実際、この返金処理は、Dが個人的に行なったのか、詐欺会社が行なったかは不明である。Dは「会社」を強調していたが、ここまで迅速な処理を考えるとDの独断でポケットマネーから振り込んだことも充分考えられる。
私としては実際どちらでも良いのだが。。。
しかし今回の一件で、無知で危機管理能力の無い人間もいれば、人生を破綻させるような 悪の組織に足を突っ込む人間もいることを改めて実感した。小学校から成績は常にトップで、運動神経抜群、リーダーシップをとって来た彼が、まさか詐欺師になるとは・・・
大学生は、まさにそういった欲望と誘惑の狭間で揺れ動く年頃であり、社会経験も浅いことから非常に危うい。罪の意識が薄くまさに表裏一体である。
その後 Dから解約の書類は届いていない。私からも連絡はしていない。触らぬ神に祟りなしでこのままフェードアウトだろう。
返金されたことで損失は最小限に抑えることは出来たかもしれないがこれまで支払ってきた利息を考えれば高い勉強代であった。また、支払いが滞っていたこともあり信用情報には不安が残る。金融機関への就活は絶望的かもしれない。
今回の事件は 私も勉強になりました。。。
うまい話には騙されるな!
自他共栄の精神を忘るべからず!